下田の温泉

下田の温泉

下田には明治初めの頃から、27~28℃の温泉が同市内、赤間、敷根、新田など数か所で自噴しておりました。
しかし「下田に熱い温泉が欲しい」という願望を込めて、大正末期、10名の有力者達が河内に温泉井戸を掘って下田に引湯する計画を立て、昭和の初めに井戸の開発に成功いたしました。この温泉井戸は50℃で400~500ℓ/分の温泉が湧出し、昭和10年には、下田まで引湯することができました。下田への到着温度は43℃で、湯量は300ℓ/分であったといわれています。

戦後の荒廃の中から、ようやく立ち直った人々の関心は、観光にも向けられるようになり、下田も観光の資源としての温泉に対する願望は、ますます根強いものとなっていきました。そこで戦時中に鉱石採鉱のため掘削中の坑道から噴出した日本鉱業の河津鉱山(通称 蓮台寺鉱山)の坑内温泉に着目いたしました。この温泉は噴出当時、65℃の温度があったといわれており、湯量も多かったそうです。

昭和26年初め頃から地元の有力者たちは、この温泉を下田へ引湯し、ホテル等へ分湯しようと考えました。そして日本鉱業と温泉分譲について話し合いを重ねた結果、昭和27年の夏、数々の問題を乗り越えて、高温の温泉を下田へ引湯することが実現されました。

その後、温泉井戸の開発が進み、現在では、相玉地区、蓮台寺地区、河内地区から旧町内、柿崎、白浜、須崎地区まで給湯を行なっております。 中でも、蓮台寺地区にある掛橋源泉は毎分2,000ℓ以上の揚湯量を誇り、下田市内の源泉の中でもトップクラスの湯量であるため、下田の温泉の主力源泉となっております。

下田の温泉の特徴は、単純泉で、湯冷めしにくく、塩分を殆ど含んでいないため、石鹸やシャンプーも使い易くなっております。

温泉の泉質について

  • 1. 泉 質  単純温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
  • 2.療養泉分類の泉質に基づく禁忌症、適応症等は次のとおりである。
    • (1) 浴用の禁忌症 急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、 出血性の疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)
    • (2) 浴用の適応性 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、 痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進
    • (3) 浴用上の一般的注意事項
    • ア.温泉療養を始める場合は、最初の数日の入浴回数を 1 日当たり 1 回程度とすること。その後 は 1 日当たり 2 回ないし 3 回までとすること。
    • イ.温泉療養のための必要期間は、おおむね 2 ないし 3 週間を適用とすること。
    • ウ.温泉療養開始後おおむね 3 日ないし 1 週間前後に湯あたり(湯さわり又は浴場反応)が現れることがある。「湯あたり」の間は、入浴回数を減じ又は入浴を中止し、湯あたり症状の回 復を待つこと。
    • エ.以上のほか、入浴には次の諸点に注意すること。
      • (ア) 入浴時間は入浴温度により異なるが、初めは3分ないし10分程度とし、慣れるに したがって延長してもよい。
      • (イ) 入浴中は、運動浴の場合は別として一般には安静を守る。
      • (ウ) 入浴後は、身体に付着した温泉成分を水で洗い流さない(湯ただれを起こしやすい 人は逆に浴後真水で身体を洗うか、温泉成分を拭き取るのがよい。
      • (エ) 入浴後は湯冷めに注意して一定の時間の安静を守る。
      • (オ) 次の疾患については原則として高温浴(42℃以上)を禁忌とする。 イ.高度の動脈硬化症 ロ.高血圧症 ハ.心臓病
      • (カ) 熱い温泉に急に入ると、めまい等を起こすことがあるので十分注意をする。
      • (キ) 食事の直前、直後の入浴は避けることが望ましい。
      • (ク) 飲酒しての入浴は特に注意する。

      • (注)この別表は、温泉法第18条による掲示に必要な参考資料になるものである。
      • (注)温泉飲用にあたっては、細菌検査及びその他の有害物資等の分析検査を実施し、衛生 状態の確認が必要です。

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